『ギター頑張ってます!でも食えてません!
って言った時点で、その人に価値がなくなるのが
今の世の中じゃないですか。』
そうバッサリと言い捨てるのは、12/16に大阪で行われる『会社に頼らず生きるためのプレミアムトークライブ』に登壇予定の、イノベーションハック(株)代表取締役・鳥井謙吾さん。
鳥井謙吾 プロフィール

鳥井謙吾(とりい・けんご)
イノベーションハック(株)代表取締役
2011年にリクルートを退職し、起業コンサルなどの経験を経てITベンチャーの経営や150名以上のオンライン大学を運営。超多忙にも関わらず、毎日5時帰りで4人の育児をこなす子どもが大好きな超イクメン起業家。
マジでさっさと失業したい
12/16に大阪で開催される大イベント、『会社に頼らず生きるプレミアムトークライブ』に登壇予定の鳥井さん。『会社に頼らず生きる』なのにもかかわらず、なんと自身のブログで『マジでさっさと失業したい』という驚きのタイトルの記事を更新。

これはどういうことだ。確認しないわけにはいかない。ということで、鳥井謙吾さん本人に突撃してこの『失業したい』の真相について詳しく話をお伺いしてきました。
小林:鳥井さん。先日『マジでさっさと失業したい』という記事を見つけました。これはどういうことなんだろう?と思って話をお伺いしに来たのですか・・・。
鳥井:あはは(笑)言ったねぇー。
社会では『食っていけるやつが偉い』というヒエラルキーがある

鳥井:うーん、僕の中ではねー、本当はあんま経済とかに興味ないんですよね。まあ仕方なくやってるんですよ。結局だって、『食っていけるやつが偉い』っていうヒエラルキーがどうしてもあるんで。かつ、お金で何でも買えるっていう状態になっちゃってるんで。金稼げないとなんか価値ないよね?みたいなヒエラルキーが。
例えばですよ、『すげーギターがんばってます!でも食えてません!』って言った時点で、食えてないのかっていう話になるじゃないですか。趣味じゃん。ってなるじゃないですか。
それを仕事にできていることに、価値がある。
分かります?
結局、情熱を傾けたり本気でやっていることではなく、商業的な成功自体が勝ちっていうことに、もうイコールになってるんですよ。しかもこれは、全員が無意識になってるんですよ。全員がそう無意識になっているんですけど。
でも、だからそれは僕にもあったんですよね。昔は僕も食えないと駄目だと思ってました。もちろん、今でもやっぱ食えないとダメなんでしょうけど。それがその、マーケティングをやった理由でもあるんですよ
マーケティングを極めれば、資本主義では当然勝てる
小林:なるほど、鳥井さんも『食える=成功』と考えていたということですか。
鳥井:結局マーケティングを押さえちゃえば勝ち組になるってのが分かってるんで。全体を支配しているヒエラルキーがあるとして、その資本主義の原点にはマーケティングが根底にある。だから『マーケティング極めちゃえば勝てるじゃん』みたいな。そのヒエラルキーで敗者になることはないでしょ。
みたいな話でマーケティング必須だなと思ったんですよね、単純に。
小林:そして極めたのに、仕事を辞めたい・・・
鳥井:マーケティングもやって、仕事っていうのも色々経験したけど、でも最終的にあんまりそのヒエラルキーに自分が興味なかったんですよ。お金が稼げて、『だからなんなん?』っていう話に僕はなっちゃうんですよね。
商業的成功はどうでもいい。自分は良いものを作りたいだけ。

鳥井:しかもお金稼げなくても、色々できることがあるってのを知っちゃったんで。別に仕事自体を辞めたいわけじゃないんですよ。『失業』とかいう概念が曖昧じゃないですか。僕は自分が必要やと思うものを作りたいだけなんですよ。
だから別に商業的成功とかどうでもよくて、自分が『これはいるやろ!』『これは人間を進化させるはずや!』とか、『これは今の社会の問題を絶対解決できる』とか、そういうプロダクトを作る。クリエイトしたいだけなんですよ、クリエイターなんですよ。
単純に起業家とか実業家を目指してるんじゃなくて、『自分が絶対これやろ』っていうものがあったら作りたくなっちゃうんですよね。
小林:そういった自分が面白い!と思うものを作るのが楽しいんですね。
鳥井:自分で作って、自分で形にして、それを人に使ってもらって 『めっちゃええやん』って言われたときに、『やろ?どや?』みたいな(笑)単純にそれだけなんですよ。
ブログも一緒で、こういう記事書いたらちょっとでも役に立つかな?とかちょっとでも感動してくれるかなー?っていうものを書いて、それで喜んでもらえた時に『どや?』ってやりたいだけ。一緒なんですよね、ブログ書くのも動画作るのもサービスつくるのも。全部一緒なんですよ。
いい記事よりも、フォロワー増やしたやつが勝つ。そんな世界
小林:なるほどです。なるほどです。そうやって楽しい事してしかも人を喜ばせて生きていけてたら、すごくいいなーという風には思うのですが。

鳥井:うん。でもね、今ってそういうクリエイティブな活動だけじゃ生きていけないんですよ。どっちかというと良いものを作るよりも、それを伸ばすやつが美味しい思いをする。めちゃめちゃいい記事でも、結局うまいことフォロワー増やしたやつの方がいっぱい読まれるんですよ。
コンテンツ単体とかサービスの良さとかで決まってないんです。
小林:うーん、たしかに。
鳥井:これ本当に問題で、例えばポエミーなことを言ってフォロワー増やしたやつの方が、最終的には得をするようになってるんですよ。ユーチューバーの話になるとすれば、例えばユーチューバーなんて一個一個のコンテンツはクズみたいなコンテンツなんですよ。でも、圧倒的にやり切ってる。
でも、僕はやりきるのが苦手なので。続けられないんですよ。作るのは好きなんですけど、その後その同じことをずっとやり続けるのが嫌なんです。
例えば youtube 上であれば、延々にくだらなくてもいいから大量の動画を上げ続けるとか。例えば資本市場で言うと、資本のレバレッジをきかせて社員に言うこと聞かせてひたすら働きながら資本を増やすとかいう、彼らはいわゆる『ルーティンワーク』で伸ばす力があるんですよ。
で、そっちが実業なんですね。
小林:延々とやり続ける能力。
ずっと面白いモノを作って、生きていたい
鳥井:そして、クリエイトから実業の世界に入る瞬間があるんですよ。でも僕は、その実業側に興味がないんですよ。あんまり面白くないことは続けたくなくて、ずっと新しいこととかやっていたい。
だけども今は、マーケティングっていうこの後ろの方のことなんですけど、そういう広げるのが上手い人の方が儲かるんですよ。だからつまらないなと思って。その分を機械の方がやってくれへんかな?って。
俺は作ることをやりたいから良いものを作るのは辞めたくない、これは完全に自分の欲求でやってるだけなんで。でもそれだけじゃなくて後ろの方、後ろの方をちゃんとやらないと生きていけないとか成功者と認められられないとか、金が入って来ないで食べていけないとか、つまらん!と思って。
めっちゃいいものを本気で生み出せたら、食っていけるようにしてほしいんですよ。
小林:なるほどなるほど。『失業したい』というのはそういう意味だったんですね。
鳥井:そういうことやで。
ということで、『失業したい』の疑問を解決することができました。これで安心してイベントに参加出来そうです。にしてもこれを聞いている僕自身、すごく考えさせられることがたくさんありました。
そんな鳥井さんは12/16に大阪で開催される超プレミアムイベント、会社に頼らず生きるためのプレミアムトークライブに登壇されます。
あの『プロフェッショナルサラリーマン』著者の俣野成敏さん、そして勝率9割・伝説のプロギャンブラーのぶきさんと一日限りのコラボトーク。イベント後・交流会もあり、登壇者と絡むことも可能です。ぜひ足を運んでみては?
