シリーズ『プロフェッショナルサラリーマン』の著書で有名な俣野成敏さんと、4児の育児をこなしながらIT企業を経営するスーパーイクメン起業家鳥井謙吾さん。
このお二人の対談を、今回特別に書き起こしの許可を得て記事にしました。
E(サラリーマン)・S(自営業者)・B(ビジネスオーナー)・I(投資家)と、すべてのキャリアを網羅する俣野成敏さん。
そのキャリアや、6年間で17冊もの本を出版し35万部の売上を達成した裏側について鳥井謙吾さんが迫ります。
この対談の内容は、トリイくんのファーストペンギン大学内での配信を書き起こしたものです。
この記事に登場するお2人は、12/16に『会社に頼らず生きるためのプレミアムトークライブ』に登壇予定。気になる方はあわせてチェックしてください。

俣野成敏さんプロフィール

俣野成敏(またの・なるとし)
ビジネスオーナー / ビジネス書作家 / 投資家
大手精密機器メーカーから社内ベンチャーでアウトレット流通を起業し、年商14億円企業へと育て上げる。2012年に独立し現在17冊の著書を執筆、35万部を売り上げるベストセラー作家へ。『まぐまぐ大賞2016』にて1位(MONEY VOICE賞)を受賞。投資家としても活動している。
鳥井謙吾さんプロフィール

鳥井謙吾(とりい・けんご)
イノベーションハック(株)代表取締役
2011年にリクルートを退職し、起業コンサルなどの経験を経てITベンチャーの経営や150名以上のオンライン大学を運営。超多忙にも関わらず、毎日5時帰りで4人の育児をこなす子どもが大好きな超イクメン起業家。
サラリーマンからビジネスオーナーまで。クワドラントを網羅したキャリア
鳥井:正直言うと、今回もですね。始まる前にあーちょっと緊張するなあと思ってですね。プロフィールとか本もいろいろ読ませて頂いてたんで。はー、なんかすげえ人と話しちゃうな、と思って。ちょっとドキドキしておりますが。
本日のゲストは俣野成敏さん。『なるとし』さんで大丈夫ですね。
俣野:大丈夫です、よろしくお願いします。
鳥井:に、お越し頂きました。よろしくお願いします。えー、ではですね。まず早速なんですけども、簡単に自己紹介からよろしいでしょうか。
俣野:これ見えますかね。これ、ご覧になれますでしょうか。

鳥井:画面共有……あ、大丈夫です。はい。確認できてます。
俣野:はい。えー、今よくあるクワドラントって話が、共通言語として出てくるじゃないですか。
※キャッシュフロークワドラントとは
お金の流れを
①従業員(E)
②自営業者(S)
③ビジネスオーナー(B)
④投資家(I)以上の4つの区分に分ける考え方。キャッシュフロー=お金の流れ、クワドラント=4等分 という意味。
俣野:あの、キャッシュフロークワドラント。金持ち父さん貧乏父さんてやつですね。あちらに基づいて、ちょっと説明をしたいと思います。
というのもですね、私2000年当時にその本を読んで結構衝撃を受けまして。世の中には4つの職業しかない、みたいな話じゃないですか。
まそんな、それ以前の私としては、サラリーマンの中にいくつもの職業があって・・・みたいなイメージしかなくて。
鳥井:うんうん、うんうん。ですね。
俣野:それ以外の世界観って全く分かんなかった。
だけども、その4つの世界について取りあえず中身は別として、4つの世界があるんだなって知ることができた本だったんですよね。
で、結構それに衝撃を受けた覚えがありまして。まあ未だにその4つのクワドラントで、僕自分がセミナーやる時なんかもお話をしてるし。
今は実はですね、Eクワドラント、Sクワドラント、Bクワドラント、Iクワドラントって、全部網羅、自分のキャリアの中でしてきてるので。
それでお話するのが一番分かり易いかなと思って、こんな形にしました。
19年のサラリーマン経験から、独立へ

俣野:で、まずサラリーマンなんですけど、これ一番長くて19年やってたんですよね。
2012年ですから、今から5年ぐらい前に卒業したんですけれども。東証一部上場のグループ会社、創業100年の老舗メーカーで。そこにいまして、超保守的な会社。
前半はメーカーの平社員で、後半は社内ベンチャー起こしまして、そこの役員。それから、最後1年だけメーカーの方に戻って上級顧問っていう形で仕事してました。
こういう老舗企業で、平社員と役員しかやったないっていう人、多分日本で僕だけだと思います。
鳥井:あはは。そういう、そうですよね、ちょっと。おかしいですね。
俣野:はい。ベンチャー企業だったらいると思うんですよ。ベンチャー企業って結構なんかね、いきなり役員になったりとか抜擢とかもあるし。
で、その時に最後の上級顧問の所属も1年間の間に、実は独立の準備ってのをしてまして。もうこの頃になったら、もう独立する気かなりマンマンになってたので。ま、ちょうど40歳ぐらいの時ですね。
で、何をやろうかって考えた時に2つの道を選んだんですけども。1つはここにあります、ビジネス書の、ビジネス書の著者。出版にトライしてみたんですよ。ちょうど震災の年ですよね。卒業する前の年、2011年。
鳥井:11年。はい。
初のビジネス書出版がバカ売れ、ベストセラーへ
俣野:はい。で、もう1つはフランチャイズ店ってありますけど、これビジネスオーナーのお店の第1号店を、ほぼ同時期にやりました。
最後の1年の間に、サラリーマン卒業のためのトライアルとして。
本1冊出版するのと、フランチャイズのお店を1店舗起こさせる、と。これをやって、もううまくいったらちょっとそこの枝葉を伸ばしていこうかな、というような形でのトライだったんですよ。
鳥井:はい。
俣野:それで、ビジネス書はどうだったかっていうと、これが「プロフェッショナルサラリーマン」って本なんですけれども。
その年、翌年ですね。2012年の年間、Amazonの年間売上ランキング、ビジネス書部門の、表彰されるくらい、ランキングに入るぐらいになったんですね。
プロフェッショナルサラリーマン
鳥井:バカ売れっすね(笑)
俣野:そうなってくると、まあオファーが入ってくるわけですね。で、それにこの6年ぐらい応え続けてたっていうのが、1つビジネスの柱になりました。
実はこの前の助走期間っていうのも、もちろんあったんですよ。ブログをひたすらやってたとか。
この自分のメディア、自分のメディアを育てるっていうのをいろいろやってたんですけど、その集大成っていうのがビジネス書の著者。
鳥井:うんうんうん。
俣野:まあ最近では、その他の執筆ということで大手、リクルートさんだとか、あとはまぐまぐさんとかとタイアップして。
大手のメディアに対して連載を持ってたりだとか、有料メルマガをやってたりだとかいう活動で、ちょっと枝を伸ばしたりだとか。
あとは社会人教育事業としてのマネースクールですね。まあ、1年半で177人の方にお越し頂くスクール事業やってみたりだとか。
主に表向きにやっているのはこの自営業者ですよね。皆さんこんにちは、とかいう場面があるものですね。
あとクワドラントのいわゆる右側の部分、B(ビジネスオーナー)とI(投資家)てのはほとんど人前にでることがありませんので。
これはあの、フランチャイズのお店っていってもオーナー業なので、自分が何か労働してるってわけではありませんので。ほとんど人前に出ることなく、自分が採用教育したメンバーが今運営していってくれてるっていうところですね。
これは今5店舗目を準備しております。
鳥井:おお。
俣野:こんな形で活動してまして。
意外にも失敗続きだった投資家としての道
俣野:はい。で、クワドラントは皆さんご存知の通り、こういう形だと思うんですけれども。

鳥井:はい。
俣野:元々E(従業員)の住人でした。ここからしか収入ありませんでしたし。ここに全部自分の時間を投じてたわけですけれども。
そっから店舗のビジネスを社内ベンチャーで10年やってきたもんですから、じゃあビジネスオーナーとして、フランチャイズをやることっていうのは結構相性が良いんじゃないかなと思いまして、1つ始めたのがフランチャイズ。
それから、自営業としてはサラリーマンで異色の経験をしたもんですから、それをネタにしてサラリーマンの処世術みたいな本を出してみたら面白いんじゃないかなあ、というところで出版業に手を伸ばした。
で、共にそこからの広がりですよね。店舗が増えたとか、あるいは執筆する範囲が増えた本が増えたていうのは、全部そこの横の広がりですよね。
で、Iっていうのは投資家なんですけど、これは勉強するのに時間がかかったっていうよりも、結構失敗の連続だったんですよ。
鳥井:あ、そうなんですね。
俣野:はい。結構失敗の連続があって、なかなか自分の投資スタイルっていうのを確立できなかったんですけども。いろんな方との出会いがある中で、今金融教育顧問をさせてもらってる一般社団法人日本IFP協会っていうところとの出会いがあってうまくいったんですけども。
そこで初めて本物の投資を知った。それがSクワドラントのマネースクールへと発展していくことになります。
で、Eを卒業した後にS・I・Bていうのが網羅できたというのが、今の現在の状況でございますね。
鳥井:うん。なるほど。
6年間で17冊・35万部のビジネス書作家へ
俣野:本も結構出してて、こんな感じなんですよね。

鳥井:ねえ、相当な数が。
俣野:そうですねえ、日本語版が17冊になりましたね。
ま、ここでもですね。1つ特徴なのはシリーズ。これ(プロフェッショナルサラリーマン)なんかシリーズですよね。1、2、3、これ4てシリーズなんですよ。これも、これもシリーズです、共著、共著、共著、共著。
鳥井:はいはい、はいはい。1流のシリーズ。はい。
俣野:で、他にも共著がここにもあって、ここにもあって、ここにもあってたりするんで。この内17冊の内、7冊が共著だったりするんですね。だから、人と組んで何か新しいことをやるっていうのは割と得意、ですかね。
なのであの、結構冊数は伸びやすかったっていうのはありますね。
鳥井:うん、結構短期間ですよね。だって。
俣野:そうですね。6年間ですね。
裏話としては割とこの一冊だけで。僕は著者としては出し切ったと。もう、乾いた雑巾しぼるような形で、こんな2冊目以降は勘弁してくださいって状況だったんですけど。
そっからここまで伸びてきてるんで。割と、なんていうんですかね。売れないと意味がないのは当然として、著者ってやる前ってめちゃめちゃハードル高いんですけど、やった後からみると別にハードルは高くない。どんな世界でもそういう所はあると思いますが。
やり終わった後と。ただ、やった方がいい人と、やらなくていい人っていうのはいるな、というのは今思うところですね。
コンテンツメーカーの裏側のチーム戦略
俣野:まあでも自動的にね、海外に広げてくれるんで、すごくありがたいはありがたいですよね。はい。あとはメディアっていうのは、結構雑誌系はよく出てますかね。
皆さんがよく見たことあるような雑誌を、ほぼ総なめはしてまして。まあこの辺も、やっぱりこう自分のメディアを持つっていうこともそうなんですけど、他人のメディアに乗っかるっていうのも非常に重要だと思ってて。
やっぱりSクワドラントの方っていうのは、自分のメディアを持ちつつ他人のメディアに乗りつつっていうのを、どうやって実現させていくか。
そしてそのメディアの向こうにいるお客さんを、に対して、何を提供するのかというとこがものすごく大事だと思いますので。
そういう使い分けっていうのを、結構重要視したりしてますね。
鳥井:うんうん、うんうん。結構やっぱりでも、基本的にでも、執筆はあれなんですね。あの、S(自営業)の割合としては、結構執筆作業っていうのは時間取ってるんですか。
俣野:えっとね、これもね、チーム戦でやるんですよね。
鳥井:はいはいはい。
俣野:はい。
鳥井:え、チーム戦?
俣野:チーム戦でやるんですよ。これあの、全部僕、全部僕、あのSクワドラントこそチームで動くべきだと思ってるんですね。
まあそうしないと、最終的にその名前を出してやるんで自分が責任は取るんですけど。ただその自分が、例えばこうして喋ってることも録音できるじゃないですか。
人と商談してるとか、人と例えばセミナーで喋ってるとか。こういうのって録音できるじゃないですか。で、録音したものが文字化になってたら、それってすごい助けになりませんか。
だから自分が喋ったことは、ひたすら文字化するような仕組みにしとけば、割とネタに困った時それめくってるだけでも、ネタになるとか。
鳥井:実際になんかあの、こうやって喋ってる内容って、後でコンテンツにしようと思って録音されたりっていうの多いですか。
俣野:そうです。そうです、そうです。
鳥井:おお。やっぱりやられてるんですね。
俣野:結局メモ取るのと同じ要領だと思うんですよね。
例えばその自分が何かね、気付いたところってメモをとったりすると思うんですけど、そのメモは何のために取るかっていったら、その何かに使いたいからじゃないですか。
だけど、結局ねえ、何に使いたいかがいつ来るか分かんないっていうところでメモを取るわけじゃないですか。
鳥井:はいはい。
俣野:だとしたら、自分が喋ったことを全部文字になってたら1番良くないですかってところですね。
発想としては。時々ありません、なんか俺めっちゃ今日良いこと言ったな、うあーでもログとってねえよ、みたいなあるじゃないですか。
鳥井:あはは。あります、あります。
俣野:ああ、だからねえ。最近のテレビ録画する機械とか、ものすごい進化してて。なんか全、一週間分の全番組録画してたりするじゃないですか。録画できたりするじゃないですか。
で、結構ね面白いっていう評判を確認した後に、その録画を観るっていうのは結構時間の節約になったりしますよね。それと同じ要領ですよね。
大体、普通の今までの昭和的な発想だと、テレビ欄をみて、面白そうだなっていうやつにアタリをつけて録画するとか。結構膨大な情報量の中から、勘で頼るような形の記録の残し方してたと思うんですよ。
あるいは放送を直接観て、ああ面白くなかった、面白かったってやると思うんですけど。一週間分の録画取れる現在の録画機器だったら、それ結構回避できると思うんですよね。はい、そういう発想でやってます。
鳥井:なるほど、なるほど。
次回へ続く

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